第42回 LPガス 三部料金制の義務化

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今回のコラムのタイトルは、“硬い”ですね!

タイトルは、賃貸住宅のオーナーに来年4月2日から課される“義務”です。

ニューサンハイツと静岡グリーンハイツは都市ガスなので無関係ですが、弊社が運営している別の賃貸物件はLPガスなので、多いに関係あります。

7年ほど前、賃貸物件のLPガス料金について、経産省よりLPガス会社、管理会社、賃貸オーナーに“不明瞭なガス料金を改善せよ”との指導が入りました。

都市ガス・電気料金というのは監督官庁の指導のもと、“許認可制”でしたが、両方とも、この数年で自由化され、料金も自由に設定出来るようになりました。

LPガス料金は昔から“自由化”されており、同じ量を使っても契約する会社によって月額料金に差が出ました。

通常同じモノ・サービスなら安いものが選ばれるのですが、LPガス料金にはカラクリがありました。

例えば賃貸住宅を新築する際、建設会社はLPガス会社と組み、ガスに関わる機材、例えばコンロやボイラー、外部タンク等を“リース”し、建設費を抑えるという手法が取られてきました。ガス会社としては、このような提案により“一棟分の顧客を取る”ことが出来るメリットがあり、オーナーもリース品であるならば、故障した際にも迅速に修理・交換できるというメリットがありました。

この仕組みの費用負担について、もしLPガス会社はオーナーに、オーナーは家賃に含ませて“受益者負担”とすれば何も問題ありません。問題なのは、ガス会社はリース料をゼロとし、その費用をガス料金に乗せて入居者様に請求して来た!というLPガス業界の商習慣です。

そのリースアイテムがガス器具に限らず、エアコン等の電気製品、更にはエレベーターといった高額なものにまで使われた結果、入居者様は、そのようなリースが無い物件の入居者様に比べて“高額なガス料金を負担させられていた”という状況が7年前に問題視されたのです。

弊社のLPガスを使った建物も、コンロ・ボイラーは同じスキームでしたが、2年前にガス会社を変更する際に、それらを一切止めることにしました。

新たに提案に加わったLPガス会社の中には、5年前(当時)の指導にも関わらず、“◎◎を付けます、△△も・・・・”という営業もいました。“今時、まだそんな営業をしているのですか?”と私が伝えても、“それが自分達の営業ですから・・・・”と、全く悪びれません。
今思えば、 “最後の駆け込み営業”だったのでしょう。

最終的に私が選んだ会社は、“何もつけなくていいから、基本料金・従量料金を最大限頑張って欲しい。更に、過去5年間のモデルケースで、今(その時点)私が使っているガス事業者との料金の実績比較を出して欲しい”との要望に応えた会社でした。

結果、弊社の当該物件のLPガス料金は、基本料金・従量料金とも、他の物件より10%以上(当時)安くなりました。

今回の法改正は来年4月以降、賃貸の入居者様に“基本料金+従量料金+消費設備料金”の3部門を表示しなければならない、と義務付けたものです。

建設費を安くするため、色々な設備をLPガス事業者に負担させていたケースがあるでしょうが、この“三部料金制”が義務化されれば、その物件のLPガス料金の高さは一目瞭然、大家は対応に苦慮することになります。

逆に、“LPガスの物件は・・・”と敬遠されていたお部屋探しの方々が居たことも事実ですが、この制度により、そういう心配もなく、LPガスの物件も選んで頂けると、弊社にとっては“追い風”となる制度だと、私は理解しております。