今時のオフィスは、“フリーアドレス”で、決まった机はないから、こんなことは言われないのでしょうね?
まぁ、一般論として“整理整頓”は重要なことと思われています。が、実はその“整理整頓の基準”って、個人個人によってかなり違うのではないでしょうか?
例えば、外国人の社員に“整理整頓して退社するように”と言っても、彼らは何をすればいいのか分かりません。例えば、筆記用具を机の引き出しに入れるだけで、“整理整頓”と思うかもしれません。
しかし、指示した上司は“机の上に何も置いていない状態が整理整頓”と思うかもしれません。
ノートPCがしっかり閉じられた状態で置かれていても、上司は“なんで整理整頓して帰らないのだ!”と思ってしまう訳です。
では、どうすればいいのでしょうか?
上司に求められるのは“具体的な作業の指示”です。つまり、“退社する際には、机の上には一切ものを出しておかない。PCも引き出しに仕舞って帰ること”と指示すれば、外国人だって“何をすればいいのか?”一目瞭然ですよね!
家庭では、社会の最小単位として家族同士がいろいろな意思疎通をします。
その際、上記とは反対に、“阿吽の呼吸”でそれぞれの行動が分かることが多いですね。
一般社会では、それぞれが持つ“常識”と、“世間の常識”のベクトルがあっていれば、その環境は過ごしやすいでしょうし、結果としてベクトルの方向が異なっていると“居心地が悪い”ってことになりかねません。
住む場所も全く同じで、私は次のような経験をしました。
ある賃貸住宅では、エントランスの場所と駐輪場が建物の反対側にありました。つまり、動線的には、自転車をエントランスに止めてしまう・・・・実際、エントランス側にも十分なスペースがあり、自転車が止められる状態でした。
入居者の皆様が生活しやすければ、エントランス側に自転車を置いても構わないのですが、問題は、“置き方”です。自転車が通路にランダムに置いてしまわれては、歩きにくいのは当然でしょう。
そこで私は入居者の皆様にお願いをしました。
“自転車を通路側に駐輪する際には、整理して置いてください”と。
結果、何も変わりませんでした。なぜなら、“整理”と言われても、具体的に何をどうすればいいのか分からなかったのです。
そこで私は考えました、より具体的なお願いになるように。
まず、ルールを決めました、“駐輪は原則駐輪場に!その上で、一世帯一台のみ、通路側の白線内に駐輪出来ます!”と。
実際に通路側に白線を引き、自転車が一台一台、その白線内に止められるようにしたところ、入居者の皆様のご協力を得ることができ、通路側の自転車は見事に“整理整頓”されました!
当初は、“一世帯一台“を徹底するため、白線に番号を決め各世帯に割り振りましたが、今はそのようなことをしなくても、整理整頓された状態にあります。
このことで私は学びました、入居者の皆様にお願いする際には、より具体的に! 且つ、ルールを作っても、そのルールが必要が無い状態になったら、入居者の皆様の自主にお任せする!
この取り組みをして10年以上、今も”整理整頓された状態“は保たれています。