2023年度が始まりましたね!
年度末に予算が成立し、“予算額倍増・異次元の少子化対策”も始まりますね!
NHKニュースからちょっと拾ってみますと・・・・
・出産、子育て応援: 370億円
・出産育児一時金倍増: 76億円
・35人学級化拡大: 総額1兆5216億円(前年度増201億円、1.3%増)
・教員の働き方改革: 総額91億円(前年度増7億円、7.7%増)
・さまざまな課題を抱える児童や生徒の支援: 総額85億円(前年度増5億円、5.9%増)
・特異な才能のある子どもの支援: 8000万円
(https://www3.nhk.or.jp/news/special/yosan2023/child-support/)
他にも従前から施行しているもあるのでしょう。それにプラスして“異次元の少子化対策”と言われるのが、上記の政策、その “増額分”だけで、約660億円、実に国防予算6.8兆円の1%です。
国防、大事ですね、目の前の危機を払拭するには!
でも、人口減も“国家存亡の危機的状況”であることに変わりません。
“異次元の”という形容詞を付けた割に、正直、“しょぼいな”というのが私個人の印象。
この議論を聞くにつけ、私は一つ大きな論点が抜けている、と感じます。今回はその点について簡単に意見を言わせていただきます。
人が生活する上で、絶対に欠かせないのが“衣食住”でしょう。
そのために、政府はこれまでに“子供手当”を拡充したり、教育費を行政が負担することにより、各家庭の経済的負担の補填という意味合いの政策を打ってきました。そのこと事態に文句はありません。
しかし、“住”については、決定的に必要な論点が欠如していると思います。
一般に、一人暮らしなら20-30㎡あれば必要最低限の“住環境”は確保されます。
カップルなら40-50㎡、
子供一人、小学生までなら60㎡は必要です。
しかし、子供二名、中学生・高校生となると、やはり80㎡は欲しいところ。
おカネに十分余裕があるご家庭なら、戸建てでも分譲マンションでも購入することは可能でしょう。でも、賃貸となると話は別です。
そもそも、70㎡を超える賃貸なんてほとんどありません。あるとすれば、戸建てか分譲マンションの賃貸だけ。60㎡の賃貸との家賃の差は数万円にもなると思います。
折角出産費用、子供手当、教育の拡充を図っても、住む家が無ければどうにもなりません。
もちろん、この件で大家に補助金!などという積りは毛頭ありません。住宅について補助金を出すなら、ご家庭で結構です。
しかし今の賃貸の状況で、もしお子さんを2名、3名持ちたい!という方が多く出てきても、10年後、15年後の住宅はどうするのでしょう?
少なくとも、現状で80㎡の賃貸をどんどん供給しよう!という大家は居ません。なぜなら、現在ではそんな市場は大きくないから。
人口問題は、国家百年の計です。住宅政策は10年単位で考えるべき課題です。
残念ながら現在の“異次元の少子化対策”と言われる議論には、上記は全く抜け落ちていると言わざるを得ません。
“住宅”は、異次元の問題ではりません、日常の問題です。
政府には、この点にも早く気が付いて何等かの手を打ってもらいたい、そうでないと、“異次元の少子化対策”は絵に書いた餅になってしまう、と個人的には懸念しております。