第49回 リスクと減災行動という保険

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先月のコラムでは、“減災”について書きました。

2月に入ってから、“最強・最長の寒波”に見舞われた中国地方から北陸、信越、東北地方は、ここ10年で一番の積雪となりました。

何名の方が、落雪等によりお怪我・お亡くなりになったようです。改めて心よりお見舞い・お悔やみ申し上げます。

とはいえ、過去経験したような鉄道での長時間に及ぶ缶詰状態や、高速道路上での大規模な立ち往生という話は聞かなかったと思います。なぜなら、それは“鉄道における計画運休”や、“高速道路の予定閉鎖”が事前に告知され、実行されたからだと思います。

地震と違って台風や大雪、大寒波は事前に科学的に予報出来るようになりました。それを有効に活用するのが、減災に向けた“計画〇〇、予防〇〇”で、その効果がしっかり現れて来たというのがこの冬の状況と私は認識しております。

“予報出来るようになった”とはいえ、自然相手ですから100%確実ではありません。
“計画運休して、運休するほどでは無かったらどうするのだ?”というご意見もあるでしょう。しかしながら、自然災害というリスクは避けられない以上、“減災行動という保険”は絶対必要だと思います。リスクが発生してもリカバリーを早める!というのが保険の考え方ですので。

よく、“保険を掛けて置いてよかった! 保険料の元を取った!”と仰る方がいますが、保険は使わないのが一番、無駄になるのが一番だと私は思っています。

ですから、減災の為に一見無駄に見える“計画〇〇、予防〇〇”は、リスクが想定より軽く、減災行動が無駄になる!というのが一番いい事だと私は思います。

弊社が営む不動産賃貸業も、自然災害のリスクからは逃れることは出来ません。それゆえ、多くの大家さんは十分な保険を掛け、一旦自然災害というリスクに見舞われても、素早く入居者様が普段の生活に戻れるよう、リスク管理をしております。

(写真は、2014年にスキーに行く途中立ち往生した時。駐在さんのクルマが一晩で埋まってしまいました・・・・)